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AGTコラム

AGTについて詳しくお伝えします

№03
AGTの輸送量についての意外な一面

2022/8/3

1回目のコラムで、AGTが属する専用軌道系システムの特徴についてお伝えしました。

2回目では、その専用軌道系システムの中で、AGTの際立った特徴として
最小半径30mが曲がれることの意味についてお伝えしました。

鉄道やモノレールに比べてAGTは車両長が短いため、輸送量が少ないというイメージがついて回ります。

今回のコラムでは、AGTの輸送量についての意外な一面についてご紹介します。
 

1.リニア地下鉄とAGT

鉄道の一種に、トンネル径が小さいので、トンネルの建設費が節約できるという特徴をもつリニア地下鉄というシステムがあります。(写真1)

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仙台の東西線、

東京の大江戸線、

横浜のグリーンライン、

大阪の長堀鶴見緑地線、今里筋線、

神戸の海岸線、

福岡の七隈線がそれです。

そのリニア地下鉄とゆりかもめ7300系の車体幅は変わらないのです。
(写真2、3)

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ゆりかもめの第1世代は、それまでのAGT車両より一回り大きくなっていましたが、ゆりかもめの第2世代は、新型台車の採用、車体の大幅な軽量化等によって、リニア地下鉄並みの大きさの車両になりました。
(写真4,5)
 

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2.2ドア車両の登場

ゆりかもめが1995年に運転を開始するまでのAGT車両は、車両長 8.0m、
車両幅 2.35m、ワンドアが標準仕様でした。

ゆりかもめは、車両長 8.5m、車両幅 2.5mと一回り大きくなり、ドア数も
ツードアになって乗降時間が短縮され、輸送力がアップしました。

この形状は,ゆりかもめの次に開業した日暮里・舎人ライナーにも受け継がれました。

 

ところが日暮里・舎人ライナーは、沿線開発が想定を超えて急速に進み、混雑が酷い路線となっています。

列車の本数を増やし、混雑緩和の努力が続けられていますが、未だ解決には至っていません。

そのせいもあって、AGTは輸送力が低いシステムという論評が報道されたりします。

 

3.海外のAGT車両の大きさ

海外のAGTは、日本より10年早い1971年にAPM(Airport People Mover)として空港のメインターミナルとサテライトターミナルを結ぶ乗り物としてフロリダ州のタンパ空港で運行が始まりました。
(写真6)

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話がそれますが、空港業界では、AGTのことをAPMと呼んで、都市交通のAGTと区別していますが、システムとしては同じものです。
 

空港のAPMは、飛行機から降りてきた大勢の乗客を一気に運ぶ必要があるため、輸送量は日本のAGTの約1.6倍あります。

その後、海外ではこの大きさの車体が都市内交通として適用されるようになり、海外での標準的な大きさとなりました。

このAPMの都市内交通の例として、シンガポールのブキットパンジャン線、センカンプンゴル線などがあります。(写真7、8)

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日本でも三菱重工が車体長11.2m、車両幅2.8mのAGTを製作し、シンガポールのチャンギ空港はじめ世界7か国11空港にAPMを供給しています。
(写真9)

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4.海外のAGT車両と丸の内線との比較

地下鉄丸の内線の車両は、車両長18m、車両幅2.78mで、6両編成ですが、三菱重工が製作した海外向けAGT車両も車両幅が2.8mあり、8両編成にすると丸の内線の編成と同じ輸送力があることになります。

 

 

車両長さが11.2mでは、最小カーブ30mを曲がれないのではとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、車体が大きくなっても最小カーブ30mが曲がれるように設計されていますのでAGTの最大の特徴はキープされています。
 

 

丸の内線は、1日に約100万人の利用者がありますが、海外標準寸法のAGTは、丸の内線のような大量輸送の路線にも適用が可能なシステムと言えます。

 

5.まとめ

公益社団法人日本交通計画協会が2020年に制作した海外向けAGTのパンフレット(国土交通省監修)では、
(図1)

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AGTの車体の大きさを3タイプに分類し、

大型AGTをタイプA、

中型のツードアAGTをタイプB、

中型のワンドアAGTをタイプC

として紹介しています。


Aタイプは1日の利用者が25万人前後、
Bタイプは15万人前後、

Cタイプは10万人前後
の路線で最も経済的に運行できる都市内交通システムとして推奨しています。

(図2)

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このようにAGTは、中量輸送だけでなく大量輸送にも適用できるフレキシブルなシステムなのです。

© 2022 AGT研究所

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